被害金を取り戻せた少額訴訟

「投資」の誘いに乗せられて

「投資するだけで毎年5%の利息を手にできる副業、始めませんか?」

参加していたオンラインサロン主宰者の呼びかけに、私は心を動かされました。もともと副業に興味があった私は、案内された口座に30万円を振り込んでしまったのです。
たしかに高額だとは思いましたが、主宰者を信頼していたことや、「何もせずに利息が振り込まれるなら」と、当時は疑うことを知りませんでした。

ところが、約束された利息の振り込みは、2年しか実行されませんでした。主宰者に問い合わせても、「騙される方が悪い」と態度が一変。取りつく島もありませんでした。

誰にも相談できずネットで調べる日々

「まさか自分が詐欺に遭うなんて…」

騙された恥ずかしさもあって、家族や友人にも相談することができず、警察や消費生活センターに電話。しかし「詐欺と立証するのは難しい」と言われ、被害届も受理されず。
泣き寝入りしかないのかと落ち込む中、ネットで見つけたのが「少額訴訟制度」でした。

少額訴訟に踏み切る

費用も手間も最小限。これなら自分でもできるかも?

少額訴訟とは、60万円以下の金銭トラブルを対象にした制度で、基本的に1日で審理・判決が出るというもの。しかも、弁護士がいなくても個人で対応できると知りました。
「これなら、自分にもできるかもしれない」と思い、少額訴訟の手続きについて本格的に調べ始めました。

訴状の文例を参考に自力で作成

ネットに掲載されていた訴状の文例を参考に、自分で書類を作成。
主宰者への振込記録、LINEのやりとりのスクショ、案内文の内容――すべて証拠として揃え、簡易裁判所へ提出しました。

初めて裁判所に足を運ぶのは緊張しましたが、窓口の方が丁寧に対応してくれて安心しました。

相手は欠席。裁判は3分で終了

裁判当日、私は少し早めに裁判所に到着。
しかし、相手側(被告)は現れませんでした。

書面審理が始まってすぐ「被告の欠席につき、原告の主張を認める」との判決が言い渡されました。拍子抜けするほどあっけなく、緊張していた分、ホッとしたのを覚えています。

後日、判決に基づいて簡易裁判所の支払い命令が出たのです。

しかしここで終わりではありません。長い戦い―相手の口座差し押さえと、強制執行ーの始まりでした。

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